注染手ぬぐい 花布 赤

花布はよつめ染布舎を立ち上げた初期に生まれた代表的な柄。

小野さん曰く、「立ち上げた当初は柄を作ることにまだ慣れておらず苦心しておりました。
花柄が好きで花柄を作ろうとするのだけれども上手くいかない。

その当時の自分でも出来る柄の作り方で花柄を作ってみようと挑戦を続けた結果この花布の柄が出来上がったのでした。
花柄とは程遠いですが今でも人気なよつめ染布舎の代表的な柄です。」

伝統技法の「注染」で作られた手ぬぐい。一点一点すべて手作業で仕上げられています。

 

よつめ染布舎/「染めを暮らしの中に」をモットーに、型染(かたぞめ)と筒描(つつがき)
などの染色技法を用い、すべての行程を手作業で行なっている工房。
手作業で染めた布には、機械では出せない独特の”曖昧さ”があり、人の手の温もりを感じさせます。
 


商品情報

●サイズ:90cm×35cm
●素材:綿100%


ご注意ください

●自然素材を使った手作りのためサイズや形状、色合い等に個体差がありますので、予めご了承頂けますようお願い致します。



 

価格 ¥1,600(税込)

Our Stroty ものづくりの裏側をたずねて

Oita Made赤レンガ本店内に飾られている型染めの風景画をご覧になったことがあるだろうか。大分市の赤レンガ館を初め、玖珠町の伐株山(きりかぶやま)、佐伯市の進水式など、大分県ならではの風物詩や風景をモチーフにした型染絵画が、月替りで登場する「大分旅絵」。大分の18市町村の風景や人の営みを型染めで表現するという連続企画だ。手がけるのは、型染と筒描の工房、「よつめ染布舎(そめぬのしゃ)」を主宰する小野豊一さん。



型染とは、模様を彫り抜いた型紙ともち米から作った防染糊、染料や顔料を使って文様を染め出す、日本の伝統的な染色技法だ。その歴史は古く、なんと正倉院にある宝物の中にも型染の品が含まれるとか。この型染めに魅せられたのが、グラフィックデザイナーとしても活躍する小野さんだ。
「型染のデザインでは、それぞれのモチーフがバラバラにならないよう、モチーフ同士をつなげる橋の役割を果たす『ツリ』を加えなくてはならないのですが、これをうまくモチーフと絡めてデザインの一つとすることで型染らしい表現になります。こういう制約があるおかげで作品には民芸っぽいフィルターがかかります。図柄の輪郭が少しボケたり、版がずれたり、それが手作業らしい味わいを生んでくてれ、そういうところも型染の面白さですね」



小野さんの実家は、広島で代々続く染物屋で神社の幟(のぼり)などを手掛けていた。地元の学校でグラフィックデザインを勉強した小野さんは、家業を継ぐべく染色の修業をスタート。ところが自身の創作活動の方が面白くなってしまい、実家を継がずに独立を果たす。陶芸家の妻とともに広島から国東市に移り住み、染色と陶芸の工房を構えたのが5年前のことだ。昔々、海運業で栄えた国東市国見町は、移住者にもおおらかな土地柄ゆえか、工芸家も多く暮らすエリア。現在は家族4人、穏やかな海辺の暮らしを楽しんでいる。



「もともと民俗的なものに興味があって、お祭りの祭事の風景を図柄に取り入れていました。国東半島にはケベスや修正鬼会という独特の民俗が残っていて、モチーフには事欠かない。そういう意味でもここに移ってきて良かったと思います」
小野さんの民俗学的視点から生まれたのが、「大分旅絵」。現在までに5作を展示、6作目の制作に取り掛かっている。



「大分にはステキなものがあり過ぎて、それぞれのエリアでモチーフを1つに絞ることに苦労しています。思い出に残っているのは佐伯の進水式。当初は寿司をモチーフにしようと思っていたんですが、誘われて出かけた進水式の迫力に圧倒されて。それであの図柄を制作しました。進水式のように、世界に誇れる日本のステキなものを作品に残していけたらいいですね」

小野さんの型染の世界を身近におきたいという人は、「よつめ染布舎」の手拭いやカレンダーをぜひ。旬の草花、行事や暦を可憐な型染で表現したカレンダーは、Oita Madeの人気アイテムの一つだ。
「カレンダーではありますが、使い終わった後も図柄が好きだと言ってとっておいてくださる方が多いので下手なモチーフは使えません。いいモチーフが見つかったらカレンダー用にストックしているんですが、去年はそのストックを使い切ってしまって…… 。弱りました(笑)」