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【大分旅絵】第4回:津久見市『追憶の工場群』が始まりました

昨年の夏からスタートした、大分県内の18市町村の風景を描いていく企画『大分旅絵』の第4回目が始まりました

 

・1回目:大分市『大分銀行赤レンガ館』

・2回目:玖珠町『伐株山』

・3回目:佐伯市『雨の進水式』

 

今回は、津久見市にある『セメント工場』がテーマ。

日本一の生産量を誇る、津久見市のセメント産業は、この街の基幹産業です。この土地ならではの工場の風景は、一方で、小野さんの故郷の原風景とも重なったそうです。自分の記憶と共に風景をみることも、また旅の醍醐味ですね。みなさんもぜひ訪ねてみてください。

 

〈小野さんの旅絵 紀行文〉
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前回の佐伯に訪れた際、佐伯入りする時に高速道路の津久見インターチェンジで降りた。料金所に差し掛かるあたりから、これぞ津久見と言った感じの津久見らしい風景が飛び込んでくるのである。津久見といえば日本一の生産量を誇る石灰鉱山ではないだろうか。

高速道路本線から料金所前ののぐるぐると周る高架を降りる辺りは、大スケールで削り取られた山々や砕石工場に囲まれまるで自分たちが砕石のようにベルトコンベアーで運ばれているようだ。
高速道路を降りてしばらくすると開けた土地に出た。遠くに高い煙突やら、長く突き出たパイプやら見えてくる。そして視界いっぱいに大きな工場群が出現し行く手を阻むように横たわる。先程の石灰鉱山も大迫力だったが、こちらの工場群にも圧倒された。

 

20代、広島に住んでいた頃、瀬戸内の海っぺりにひたすら続く工場群をよく見に行っていた。夜になると煙突や工場に灯る無数の明かりがとても綺麗で写真を撮って楽しんでいた。
いわゆる工場萌えというやつだろうか。あの頃は何もかもうまくいかない時期で憂さ晴らしに工場を撮っていたが、そんないつぞやの趣味が作品になり仕事となっていることに嬉しく思う。
悶々としながらシャッターを切っていたあの頃の自分に、人生何とかなるもんだと声を掛けたい。

2020年2月