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【大分旅絵】第3回:佐伯市『雨の進水式』が始まりました

 

今年の夏からスタートした、大分の18市町村の風景を描いていく企画『大分旅絵』の第3回目が始まりました

 

1回目:大分市『大分銀行赤レンガ館』

・2回目:玖珠町『伐株山』

 

今回は佐伯市にある『進水式』がテーマです。

佐伯市には、大型タンカーなどの造船所があり、完成して着水させる際に、地元の人たちとともにセレモニーを行います。造船所や地元の方々も誇らしげに、船の進水を寿ぎます。ものづくりが地元の風景となる。小野さんもおおいに心を動かされたようです。

 

〈小野さんの旅絵 紀行文〉
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前回の玖珠町と同じように佐伯市へは高速道路で通り抜けたことがある程度で、知っていることといえば魚が美味いことぐらい。

1年ほど前だったか、ウチの近所に住んでいた他県からの移住の家族が佐伯市に引っ越した。どうも釣りが生き甲斐で佐伯市の方が存分に釣りが楽しめるらしい。妻がそこの奥さんと仲が良くいつかその友人宅へ遊びに行きたいとよく洩らしていたので、大分旅絵も便乗させて佐伯市に行くことにした。

とはいうもの、佐伯市には何があるのか。全くリサーチせず行き当たりばったりもアリだが、それもなんだか落ち着かない。
こういう時はOita Madeの物知り熊谷さんに聞いてみるのが一番である。色々とご提案頂いたがその中でも群を抜いて印象的だったのが進水式である。いわゆる観光スポット的なものを想像していたがさすが熊谷さん。

佐伯市は造船業が盛んで進水式ではタンカーのような巨大な船が海に入るところを間近で見れるらしい。これは是非に見たい。

 

 

旅の記録はインスタグラムにアップするとして進水式のことである。いやいや進水式、スゴカッターー!!皆さんに滅茶苦茶オススメしたい、是非観に行って欲しい。

 

場所は佐伯市中心部、佐伯重工業の敷地内で行われた。進水式当日はあいにくの雨、いや大雨であった。家族で訪れたが雨がひどくて下の子は赤ん坊だし連れて行けそうになかったので5歳の娘の手を引いて会場へ。敷地に入ると大きな建屋の工場が目に飛び込んでくる。ここは全てがデカイ。

船はもちろん船を覆う建屋もクレーンも工場に刻まれた安全第一の文字までも。その大スペクタクルな景観に先ず圧倒されるのである。まるで小人になってしまったかのようだ。

 

敷地はとても広かったがこれから進水するであろう新しい船はすぐに見つけることができた。
これはタンカーだな。タンカーとは何と大きいものだろう!うわあ〜思わず声が漏れる。白いテントに女性がいて紅白饅頭を頂いた。そうか、これはめでたいことで祭りなんだ、セレモニーなんだ。周りの壮観さに圧倒されてこのイベントが何なのかそんなことも頭から吹き飛んでいた。会場のタンカーの前には進水を待つ傘をさした見物客で溢れていた。船を何隻も作ってきたであろう作業員の人たち、学生、地元住民、老若男女様々な人がいたがほとんどは近辺の人たちだろう。

 

 

意外に早くその瞬間はやってきた。確か何かの音が鳴ったと思うが視覚的に強烈過ぎて耳からの情報はあまり憶えていない。

目の前の大きな大きなタンカーの壁が動き出す。船の上にいくつもそびえるクレーンも高く遠くに見える機関室も一斉に動いている。すると想像していたよりも早く、僕が全力で走っても追いつかないくらいのスピードで大きな船体は海の方へ滑っていく。風の壁が傘を持ち上げ身体が煽られる。そしてタンカーの顔、先端がようやく見えた。

 

そうか、この船は後ろ向きだったのか。
船の全貌が見えないくらいデカイものが目の前をスゴいスピードで走り抜けたのだ。船首に取り付けられたくす玉から何本ものテープが風船と共にふわふわと宙に舞っている。それはあまりにも軽やかで幻想的でまるで船体が浮いているようだった。いや、浮いている、現に海に浮いている。タンカーはガラガラと大きな音を立ててイカリを海に落とした。

 

 

進水式はこれにて閉幕。潔さこの上なし。

 

帰路につく会場の見物客達は皆微笑ましい表情を浮かべどこか誇らしげだった。私の町にはこのものづくりがある、すごいでしょう?
そんなことを語りかけられたよう。

 

WONDERFUL WORLD
タンカーの横に刻まれていた。
そう、世界は素晴らしいのだ。

 

 

2019年11月
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展示は1~2ヶ月間程度です。
大分にお越しの際はぜひご覧ください。

 

 

【大分旅絵とは】
『よつめ染布舎』の小野豊一さんが大分県内の各地域を旅しながら、そこで出会った自然や建物、人の暮らしなどを描いていく連続企画です。1ヶ月毎に1枚ずつ、大分県内18市町の絵画がここOita Made Shop赤レンガ本店内に飾られていきます。

大分を一緒に旅するように、懐かしく新しい風景にぜひ出会ってください。

〈企画概要〉
期間:2019年夏~2020年夏頃(期間中、毎月新作絵画を展示)
場所:Oita Made Shop赤レンガ本店内
お問合せ:Oita Made株式会社 TEL:097-513-2828 Email:info@oitamade.jp

〈インスタグラムで情報発信していきます〉
公式インスタグラムで小野さんによる旅の様子や絵画制作などを発信していきます。ぜひフォローしてみてください!→@oita_tabie